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2006年12月

2006年12月31日 (日)

大掃除

大掃除する。レンタルビデオを返す。
ジョナサン、休憩。
窓ガラスを拭く。
井浪らと忘年会。「ぼるが」「松屋」チャミソルで記憶が飛ぶ。
服が汚れている。道端のどこかで寝たようだ。コンビニで女池さんらしき男と喋った。歌を歌った。
こうして今年も終わる。

皆さん、来年もよろしくお願いします。

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2006年12月30日 (土)

安藤美姫

ひどい下痢だ。一日中寝てる。映芸忘年会行けんかった。
坂本に呼び出され、「鳥立ち」で女池さんらと飲む。「反省して下さいよ!」正座する。
今年ももう終わる。

女子フィギュアスケートを見ていた。安藤美姫が転倒して、起き上がって、一瞬やめようかなって顔になって、それからまた滑り出す時の表情が凄かった。意地がある。鳥肌立ちました。闘う人はカッコイイ。

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2006年12月28日 (木)

砂売りが通る

雑炊食う。柔らかいモノばかり食ってる。
ジョナサン、堀江敏幸「熊の敷石」読了。読んでるとどんどん小説の中に引き込まれていく。面白い。短編の「砂売りが通る」が好き。風景を書ける人はちゃんとした小説家だと思う。堀江敏幸、今もっとも気になる作家。
「はてな亭」レジェンド忘年会。成田さんとお話しさせて貰う。「複眼の映像」の話。ひたすら飲んで食って。
家、寝る。

数年前の夏、暇だったので毎日プールに通った。あんまり泳がない。プカプカ水に浮いてるだけ。時々潜って女の子の水着を眺める。今年の夏も暇で、鮎釣りばっかり行ってた。やることないのがつらいだけ。何かやってればいろいろ忘れることが出来る。ムダなことばっかりやり続ける。恥ずかしくないわよ。普通。大丈夫。

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2006年12月27日 (水)

雨降り

雨がざぶざぶ降っている。ジョナサン、座ってる。悩み事をする。ツタヤ行って、ビデオ借りる。「河内音頭」「マジソン郡の橋」。
家、リゾット食う。昼寝。
国映行く。「つちんこ」うまくいきますように。ぐだぐだいる。
恵比寿、前川さん忘年会。ずぶ濡れになって飲み屋3軒巡る。吉岡と2人、叱られる。朝まで。

夏に三重県の名張川へ鮎釣りに行った。行った初日に豪雨で、橋の下で雨宿りをした。止む気配はない。ぼんやり立ち尽くしてると、ものすごく大きな白い鳥が近くにやってきた。目が合う。こいつも鮎を狙っている。しばらく一緒に雨宿りした。同志のような気分になった。雨も悪くない。


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2006年12月26日 (火)

イルカ

暇だ。イカ釣り行く。青春18きっぷで伊東まで。バスに乗って伊東港に到着。
風が強い。ビュービュー吹いている。エギが飛ばない。全然釣れない。隣の兄ちゃんが小さいイカを釣る。うらやましい。
港内の生け簀にイルカがいる。時々やる気なさそうにジャンプする。イルカは可愛い。眺めてる。
風止まず、結局、ボウズ。
帰ってきて、ジョナサン、暇潰し。吉村昭「少女架刑」読む。少女が死んでから始まるお話し。ずっと死体目線なのが面白い。最後は骨になって骨が崩れていく音を聞きながら終わる。きれいな小説だ。
酒飲んで寝る。

山中湖では、ドーム船でワカサギ釣りが出来る。トイレも付いている。
釣りに行きたい。

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2006年12月24日 (日)

東白川村

呆けている。昨日の鍋の残りを食う。
街をブラブラ。新宿は人が多い。
ジョナサン、お勉強。
だいこん鍋を食う。
寝る。

岐阜県の東白川村では、毎年5月にツチノコ探索大会がある。賞金は100万円。未だ捕まってはいない。きっとどこかに息を潜めて隠れている。己の居場所を求めて、その時が来るのを待っている。


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2006年12月23日 (土)

感謝

冬至。ゆず湯にはいる。カボチャの雑炊食う。DVDで「実録 パピリオン山椒魚」「シャーリー・テンプル・ジャポン」「亀虫」冨永昌敬監督、見る。動く山椒魚を初めて見た。頭がでかい。かわいい。
シナリオ作協忘年会、でる。馬場さんに挨拶する。嬉しい。
東中野、ミスドでカフェオレ飲む。うまい。小笠原沖でダイオウイカが捕獲されたらしい。くやしいが、映画を撮っといて良かった。こっちのが先だぜ。
「おじさん天国」楽日。冨永監督、平沢さん、トークありがとうございました。
この3週間、気が気でなかったが、無事終わってホッとしてます。皆さんに感謝です。
「呑兵衛」打ち上げ、朝まで。

泣くな。反省するな。次がある。


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2006年12月22日 (金)

楽日

グラタン食う。ジョナサン、ベストテン書く。
ポレポレ東中野、取材受ける。ついでに「クレオパトラ」手塚治虫監督、観る。スタッフに杉井ギサブローの名前があって、驚く。1970年のアニメ。エロくていい。適当さで自由を獲得している。刺激的でした。
「富士そば」でわかめソバ食う。ツタヤ行って、再ジョナサン、お勉強。
「おじさん天国」上映、顔出す。上映トラブルあったみたい。すいませんでした。
DVDで「鍋と友達」沖田修一監督、見る。後半のドタバタにドラマがあって感心。鍋の使い方が秀逸。きりたんぽが転がって、湯気がでるとこ良かった。沖田修一、今もっとも気になる監督。
寝る。

「おじさん天国」で唯一ぬけのあるシーンが草野球のシーンで、最後はドタバタでケンカするはずだったのが、抱きついて終わりにした。おじさんが生き返って嬉しかったのだ。

本日、「おじさん天国」最終日です。上映後トークあります。冨永昌敬監督、平沢里菜子さんと話します。皆さん、よろしくお願いします。

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2006年12月21日 (木)

牛頭

守屋からシナリオ「つちんこ」届く。おもろい。ワクワクする。
映画学校、実習発表会。なんだかんだあっただろうが、みんな出来て良かった。肝臓移植のドキュメンタリー見て、心配になる。夕方までずっと、見てる。
新百合ヶ丘「魚民」打ち上げ。飲みまくる。
ポレポレ東中野「おじさん天国」顔出す。鎮西さんありがとうございました。
「呑兵衛」軽く飲んで帰る。

だいぶ前、佐藤宏と荻窪の「かっぱ」で飲んだ。佐藤は「おじさん天国」のシナリオについて「三池崇史の「牛頭」ですよね」と言った。図星だった。恐るべし佐藤宏。

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2006年12月19日 (火)

子宮

二日酔い。体調悪い。「麺通団」でかけうどん、エビ天入り食う。本屋で立ち読み。
ジョナサン、勉強する。那須さんに呼び出され新宿国際、堀くんの観る。2回目。相変わらず音が聞こえないのだが、2回目なので楽に観れる。葉月蛍の「人殺しでも何でもして、お金持ってきなさいよ」にしょぼん。
「叙楽苑」直井くんらと軽く飲む。太刀魚の唐揚げがうまい。
家で、休憩のつもりが爆睡。ポレポレ行けんかった。

地獄は子宮の中みたいに血まみれなんだ。と言ったら助監督の一平が渋い顔をした。どっかあるだろ。映画館、ストリップ小屋、ソープランド、旅館、ラブホ。どこでもええから血まみれや。結局、ラブホになった。無理矢理受け付けも使った。正解だったのか。分からん。

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『おじさん天国』レビュー集

BLOG等で紹介されたレビューなどをクリップ機能を使ってまとめております。
→|こちら。

是非御チェックください。

さて、上映もいよいよ今週金曜日までです。

お見逃しなきよう!

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2006年12月18日 (月)

馬場当

だるい。雑炊食う。
ジョナサン、考え事。
鶴見、馬場当忘年会。馬場先生の話にしびれる。斎藤良輔96歳でも惑うらしい。おもろい。おもろすぎてまたしても飲み過ぎる。ちんちろりんで朝まで。最後に取り返した。始発電車で帰る。

ワンシーン、ワンギャグが基本と思っていて、いろいろ考えるのだが、考えすぎたやつはだいたい失敗する。思いつきでやった方がうまくいく。ヘビにチンコかまれるのは失敗で、見たこともない虫にかまれるのはうまくいったと思う。

あと五日、うまくいきますように

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2006年12月17日 (日)

六甲山

ずっと寝てる。昨日の鍋の残りを食う。
ジョナサン、「かめくん」読了。かめくんが喋れないのが悲しい。
東中野、ミスドでカフェオレ。吉岡と話する。「野宿」のママについて。
「おじさん天国」上映後、柳下さん、田野辺さんとお話しする。ツチノコは六甲山にいる。助けられました。ありがとうございました。
「呑兵衛」朝まで。体持つかな。

ポレポレ東中野の受付に「女優 林由美香」分厚い本が並んでる。由美香さんがこっちを見ている。「しっかりしなさいよね」と言ってる気がする。トークは苦手だが、頑張ってみる。時々、街で林由美香を見る。よく見ると違うのだが、一瞬はホントにいるみたいに見える。時々はこっちの世界に来ているんではないだろうか。それからしばらく由美香さんのことを思い出し、考える。

「おじさん天国」後一週間あります。皆さんよろしくお願いします。

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『おじさん天国』トークショー2

ゲスト:いまおかしんじ監督×柳下毅一郎(特殊翻訳家)×田野辺尚人(「映画秘宝」編集部)

Ojisan0612162日連続トークショーの第二弾は、柳下毅一郎さん・田野辺尚人さんの「女優・林由美香」(洋泉社)チームをお迎えしました。チラシやパンフレットに寄稿してくださるなどいまおか映画には造詣の深いお二人だけに、独自の地獄談義に始まっておじさんの不眠症の原因に新たな仮説が飛び出したり、ツチノコ目撃情報やダイオウイカの釣りスポットまで話は広がり、場内は笑いに包まれました。

ー柳下さん、田野辺さんのお二人は既にピンク映画館で『絶倫絶女』としてご覧になっていたんですよね。

柳下:そうです。僕は上野オークラで。最初観た時から草野球のシーンが好きでしたね。まさに「天国」って感じで。あのシーンはもっと長く観ていたかったですよ。

田野辺:僕は前に観ていた人間から「地獄」が描かれ、「エンマ大王」もちゃんと出て来る。しかもそれを演じるのは伊藤猛(※かつてから田野辺さんとは旧知の仲)だと聞いたのですぐ新宿国際に観に行きました。伊藤猛がエンマ大王を演じるというのはビル・プルマンが大統領を演じるくらいすごいことなんですよ!それで観たら確かに地獄は出て来たんだが…まさかあんな…(笑)ちなみに丹波哲郎さんの持論として、人は死んだら自分が思っているような霊界に行くということらしいので、これは下元史朗が演じるおじさんが思っていた霊界なんじゃないかなと(笑)

ー(笑)地獄へ行くことになったきっかけは何だったんでしょうか?

いまおか:最初は地獄とか出て来なかったんだけどね。草野球チームの連中とかがみんなうちに来て、狭い部屋が人でいっぱいになる。で、喧嘩したりとかそんな感じだったな。守屋は地獄のことを何て書いてたんだっけ?

ー『ミルキー』という脚本で地獄のシーンがあったんですが閻魔大王も何も出てこなかったので、いまおかさんのほうで(地獄)行くと言ったときにはわくわくした、ということでした。

いまおか:ああ、そうだそうだ。

ー女優陣については如何だったでしょうか?

柳下:主役の藍山みなみさんはぎりぎりまで決まらなかったんですよね。藍山さんは顔はロリロリなのに肉づきがよくて妙にエロいところが大変いいなあと思いました。平沢里菜子さんも以前に『かえるのうた』『ヒモのひろし』(05/原題:SEXマシン 卑猥な季節)を観てとても気になってたんです。でも『おじさん天国』がピンク映画館で上映されたときのポスターは、写真が全部平沢さんなんですよね?

いまおか:公開の1ヶ月前にはポスター撮りをしなくちゃいけなかったんですけど、そのときはまだ藍山さんが決まってなくて、誰でもいいからと言われてぎりぎりの日に平沢さんにお願いしました。

柳下:その時点ではじゃあ何も決まってなかった?

いまおか:そうですね(笑)。

柳下:この映画って男もそうですけど、特に女性が何を考えてるのか全然わからないですよね。内面がない人たち……もちろん映画の中でのことですけど、なんで藍山みなみの役が色んな男とセックスしてるのかもわからない。けっこう純情そうな女の子なのに頼まれるとすぐセックスしちゃうらしい、という男にとっては理想のキャラクターなんですけど、内面的なことはわりとわからないですよね。監督の女性像というのもわからないものなんですか?

いまおか:ああ、そうですね。わからないというのもあるんですけど、すぐやらせてくれる女の人はなんかいいじゃないですか(笑)。可愛いっていうか、色んな魅力があると思うんですけど。女池充監督と『愛のコリーダ』(76)の藤竜也は魅力的だよね、という話をしたことがあるんですけど、あの役はみんなを馬鹿にしてるんだけど自分も馬鹿にしてるんですよね。だから色んな男とやる女っていうのもどこか自分を馬鹿にしてるのかなあというのがあって、まあ、後づけですけど。

柳下:みんなミステリアスな感じがするんですよね。特に内面の吐露が全くないじゃないですか。吉岡君の役もなんでイカを釣りたがってるのか結局わからないですよね。おじさんがなんで不眠症になったのかもわからない。普通に考えると佐々木ユメカの役を殺した、ということになるじゃないですか。

いまおか:ああ、そうか(笑)

柳下:ならないですか?(笑) でもその得体の知れなさがいいなあと思って。要するに人間の内面なんかなくてもちゃんと映画になるっていうか、内面もお金も何もないけど天国と地獄はあるというのが素晴らしいなあと。

ーいまおか監督は今、老人が主役の恋愛モノを準備しているということですが……。

いまおか:ピンク映画のシナリオ公募入選作なんですけど、老人の性を扱った話で、それをいかにエロく撮れるかという挑戦ですね。

柳下:おじさんの次は老人ですか?

いまおか:どんどん年齢が高くなっていく(笑)。65歳ばっか出てくるんですよ。

ー脚本家も年配の方なんですよね。それともうひとつ、ツチノコ映画の構想もあるとか。

いまおか:旦那さんをツチノコに噛まれて殺されちゃう奥さんの復讐話ですね。

柳下:それは中国山地ロケ?

いまおか:いや、岐阜のほうに「ツチノコの里」っていうのがあるんですよ。

柳下:あれ、ツチノコって中国山地にいるんじゃありませんでしたっけ? 広島あたりだった気がしましたけど。

いまおか:いろんな所で目撃されてるんですよ。

田野辺:広島で発見されたのはですね、ツチノコの死骸だということだったんですけど、調べてみると山案山子だったんです。間違いのないところで申しますと、一番最近では六甲山中で今年の9月に目撃例が出ています。ロケをするなら六甲山中だと思います。この間あそこで焼き肉のタレで生き延びた男性が保護されましたけど(笑)けっこう危険な所です、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99)みたいな。

柳下:ツチノコはちゃんと出てくるんですか?

いまおか:そうですね、まだホンが上がってきてないんですけど。

柳下:デメキングやダイオウイカみたいな怪獣ものになるんですかね?

いまおか:そうですね、何とか盛り上がる感じにしたいんですけど。

田野辺:ダイオウイカは父島じゃダメですよ。今ダイオウイカをゲットするんだったら高知沖です。

いまおか:高知沖?

田野辺:ええ、釣れるらしいです。この間も死体が流れ着いてます。

いまおか:それどこの情報なんですか? すごいっすねえ(笑)。

柳下:いまおか監督にはM.ナイト・シャマランに対抗して、日本のシャマランとして是非頑張ってほしいですね。

この日は昨日に引き続き、サイン入りパンフが抽選で2名様にプレゼントされました。トークでも話題になっていた『南の島にダイオウイカを釣りにいく』は月・水曜日のみの限定上映です。チャンスはあと2回ですのでどうぞお見逃しなく!

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2006年12月16日 (土)

『おじさん天国』トークショー1

ゲスト:いまおかしんじ(『おじさん天国』監督)×守屋文雄(脚本家)×松江哲明(映画監督)

Ojisan061215『おじさん天国』公開からはや一週間、初めてむかえる週末にトークショーの第一弾が行われました。ゲストは本作の脚本家・守屋文雄さんと、『かえるのうた』(05)につづき『おじさん天国』の予告編(4バージョン)を作ってくれた映画監督の松江哲明さん、そしていまおか監督の3人。普段から親交の深いいまおか監督と松江監督が、俳優としても密かに注目を集める(?)守屋さんのシナリオ作りの謎に切り込みました。

—松江監督は『おじさん天国』を初めて観たときの印象はいかがでしたか?

松江:僕は全部で三回観てるんですけど、一回目は「二回目に観ると多分もっと面白いよね」という話をしたのを覚えてます。でも実際は二回目はもっとわからなくなった。三回目になると「この映画、さっぱりわからんな」と(笑)。ただ、すごく面白いっていうことは観れば観るほどわかる……それこそゲソみたいに、噛めば噛むほど味が出るような作品だと思います。でもなんで『おじさん天国』なんですか?

—実はタイトルの生みの親は守屋さんなんですよね。

守屋:ああ、やっぱ気になるんですかねえ。

松江:天国がないじゃないですか、地獄は出てくるけど。

守屋:ああ、そうですねえ。最初はおじさんが出てくるから『おじさん』というタイトルをつけてたんですけど、次に地獄が出てくるから『おじさんと地獄』になって、でも書いてるうちにだんだん楽しくなってきて「あ、これ地獄じゃないな!」と思った瞬間がありまして、最終的には天国になりました。

—おじさんが逃げている相手も最初は「夢」ではなく「女の人」という設定だったんですよね?

いまおか:ああ、最初はね。

守屋:おじさんが中国で子供を作って、その母親が「責任とりなさいよ!」と追いかけて来る設定で書いてたんですけど、実在するものより「夢」というわけのわからないものを怖がっているほうが面白いんじゃないかと思いまして、がらっと変わりました。

松江:夢や幻想というモチーフは過去のいまおか作品から続いているテーマですけど、今回守屋さんが脚本家として加わるにあたってそういうことは意識してたんですか? それとももともと守屋さんの中にあったものですか?

守屋:えー、ちょっとわかんないですね。ただ、第一稿をいまおかさんに見せたら「何か違う」というので直していくうちにそうなってしまったという感じですね。

松江:そもそもなぜ守屋さんに脚本を頼んだんですか?

いまおか:一緒にやってみたいシナリオライターの人はたくさんいるんですけど、頼むタイミングってあると思うんですよ。やりたいだけではなかなか頼めないというか、、本当に書いてもらうとなると2、3ヶ月〜半年は拘束しちゃうわけですし、実際に撮る気がないとお願いできなかったりする。その最初のひと言をどう言うかということですよね。今回はそれがたまたま酔っぱらってるときに横を見たら守屋がヒマそうにしてたんで、パッと頼んじゃったんですよ。頼んだ瞬間、撮らなきゃいけない気持ちになってきちゃったんですよね。

—最初は守屋さんも飲みの席で言われたので半信半疑だったとか?

守屋:まさか本当に電話がかかってくるとは思いませんでした。

—いまおか監督は守屋さんを「柔軟」と評していましたが、作り方としては守屋さんがいまおかさんのアイディアを受けて膨らませていった感じですか?

いまおか:そうそう。最初のプロットから二人で話し合ったことを元に守屋にシナリオを書いてきてもらって、それに対してああでもないこうでもないと言って、新しいアイディアが出てくるとまた電話して……ということを繰り返すんですけど、できあがってみるとそれがひとつも入ってない(笑)。「ひとつも入ってないね」と聞いてみたら「一回やってみたけど上手くいかなかった」と言われて。いつもは自分で脚本を書くのでそういうことをわからないままにやってきたんですけど、書かない立場としての考えとは別に、実際に書く人の手の運動というか躍動感というか—書き手の生理をくみながら作っていく監督としての作業を初めて実感した気がします。

松江:たとえば具体的に、やってみたけどうまくいかなかったシーンというのはどこですか?

いまおか:えーっとね、具体的なシーンはないんだけど、リカがおじさんと肉体関係をもったことがハルオにバレたあと、もっとドロドロの三角関係にならなきゃだめなんじゃないかということを二人で話しながらやってたんですよ。でもそれはやってみたけどうまくいかなかった、って言うんです。

守屋:いや、言い訳じゃないですけどほんとに書いたんですよ。書いたんですけど気持ち悪かったんでやめました。

松江:久米水産(劇中に出てくる企業)の社歌というのは守屋さんのアイディアですか?

いまおか:一番最初の、まだ紙きれ一枚に書いたような短いプロットしかなかった頃に守屋が「いまおかさん、社歌を歌うシーンを入れていいですか?」って聞くから、何の意味があるのかわかんないけど「いいよ」って言ってて。直しの段階でもずっとそのシーンだけは消えなかったの。途中では歌詞まで書いてあったんだよ。

松江:あ、あの歌詞は守屋さんが書いたんですか?

いまおか:いや、途中までは書いてあったんだけど長くなるだけだからなくなったね。

松江:ちなみにどんな歌詞だったんですか?

守屋:あのー、僕の小学校の校歌です。

いまおか:あ、そうなの? 「○○小学校」の部分を「久米水産」に変えただけだったの?

守屋:はい。

松江:いまおかさんの映画で劇中で歌ってるのは『かえるのうた』が初めてで、『おじさん天国』でもまた歌ってますよね。『かえるのうた』のときは『リンダ リンダ リンダ』(05)を観ていいと思ったと言ってましたけど、今回の歌の演出はまたちょっと違うと思うんですけど。

いまおか:ああ、そうね。歌があるとテンションが上がる気がするんですよ。観てて楽しいじゃないですか。マキノ雅弘が「映画の中に必ず祭りを入れる」と書いてたのを読んで、そういうのをたとえば歌みたいな形でどこかに入れられたらいいなというのを最近思ったんですよね。本当はシナリオ上でそういうシーンをちゃんと作らなきゃいけないんですけど、まあ、あんまり盛り上がらないホンだったんで。

松江:でも社歌を歌っているシーンで、ひとりひとりの顔がアップになるときにそれぞれの声が一人ずつかぶさるのはいいですよね。キャラがすごいわかりやすい。

—(笑)おじさんの名字にもなっている「高山」君という人も実在するんですよね。

守屋:高山君という友達がいたんで、その人から勝手に名前をとりました。

松江:どんな人なんですか?

守屋:ちょっと面白い顔の人なんですよ。

いまおか:今週の「ぴあ」の出口調査に出てるよね、顔写真が。

守屋:あ、そうなんですか?

いまおか:うん、100点入れてた! 俺も「あれ、この間挨拶した高山ってこの人かなあ?」と思ってびっくりしたけど。でも、松江君は普段アダルトビデオやドキュメンタリーを撮っていて、ピンクの世界ともわりと親しい関係にあるじゃないですか。あらためてピンク映画ってどう思ってますか?

松江:それを聞くんですか! 僕も今年、アダルトビデオとして作った『セキララ』という映画を劇場で上映したんですけど、やっぱりピンクだけで作った映画とかピンク映画館だけの見せ方だと限界があるというか、観るお客さんの層が決まっちゃってると思ってて。でもこういう一般の劇場でやると若い人や女性の方も来てくれるじゃないですか。そういう人が興味を持ってくれると作品自体の幅が広がると思うんですよね。僕の勝手な憶測ですけど、いまおかさんも『たまもの』(04)を一般劇場でかけて、そのときのお客さんの影響やリアクションが『かえるのうた』や『おじさん天国』にもあるのかなあという気がします。

—今回の上映も次回作につなげていきたいと思いますが、今後のご予定は?

いまおか:老人の恋愛モノと、ツチノコに復讐する話のふたつを考えていて、ひとつはいま守屋君とやろうとしてます。でも実はもう脚本の〆切は過ぎてるんですけど。

守屋:すいません!

いまおか:のうのうと現れてる。いつまでに書く?

守屋:今日は金曜日でしたっけ……月曜日までには。

いまおか:はい。

松江:僕は、来年の3月にやる「第2回ガンダーラ映画祭」のために『童貞。をプロデュース2』という作品を撮ります。前回は『おじさん天国』の同時上映(※月・水のみ)にもなっている『南の島にダイオウイカを釣りにいく』(いまおかしんじ監督)などと一緒に上映したんですけど、また人をいじめるドキュメンタリーを作ろうと思ってます。

最後には守屋さん、いまおか監督ほかキャストのサイン入りポスター抽選会も行われ、希望者は飛び入りでかけつけてくれた藍山みなみさんとのにわかジャンケン大会に。こっそり劇場にいらっしゃっていた吉岡睦雄さんも急遽ステージに上がり、嬉しいサプライズとなりました。見事ポスターを手に入れた方、おめでとうございました! 今日以降もまだまだイベントが控えていますのでぜひこの機会にご来場をお待ちしております。

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トゥモローワールド

国映に行く。素材を返す。「天一」の天丼弁当食う。うまい。
銀座で「トゥモローワールド」アルフォンソ・キュアロン監督、観る。ピンポン玉の口キャッチボールの後のジュリアン・ムーアの死に愕然。感情移入する。正義に殉じて生きる。凄い映画だ。
家、海鮮鍋食う。冬は鍋。
ポレポレ東中野「おじさん天国」イベント、守屋文雄、松江哲明監督、ありがとうございました。
「呑兵衛」朝まで呑む。井土さんとふぞろい話盛り上がる。「野宿」スナックで飲んで帰る。

新藤兼人監督は、現場合宿主義らしい。私も合宿が好きだ。撮影の間は家に帰りたくない。「おじさん天国」も4日ほど合宿した。イカ臭いアパートに泊まって、コタツにあたりながら酒を飲んだ。映画にまみれてる感じが良い。

本日もイベントあります。上映後、柳下毅一郎さん、田野辺尚人さん(映画秘宝編集部)らとお話しします。皆さん、よろしくお願いします。

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2006年12月15日 (金)

日曜日は終わらない

サンドイッチ食う。DVDで「日曜日は終わらない」高橋陽一郎監督、見る。隠された悪意の話。林由美香が出てくるとホッとする。不思議な情感が魅力。ロケ場所とキャストにこだわりあり。そう言えば「水の中の八月」も見てたことを思い出した。
納豆ソバ食って、ジョナサン行く。読書。
ポレポレ東中野「おじさん天国」顔を出す。だんだんつらくなってきた。すいません。皆さんありがとうございます。
「炎」直井くんらと軽く飲む。毎日飲むで。

場所なんかどうでもええわ、芝居やと思っているのだが、いざどこで撮るのかとなると、なかなか決めきれない。「おじさん天国」三崎でやろうと思ったのは、海沿いの水産工場をロケハンした時で、2階の窓から海が見えて、ガランと寂しくて、セックスしかやること無いとこだなと思ったからだ。商店街に一軒だけパチンコ屋があって、一人も客がいなかった。小便するために入ったら、やる気のなさそうな従業員と目があった。やることがないのはつらい。

本日イベントあります。脚本の守屋文雄と、松江哲明監督とトークです。
お願いだからみんな来てね!

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2006年12月14日 (木)

入り口

雑炊食う。部屋を暗くしてオナニーする。中学生の頃の気持ちを思い出す。
「三文役者」新藤兼人監督、見る。荻野目慶子、キュートだ。ラスト近く、歳をとり、ずっと仕事が無く、ただ待ってるだけの殿山泰司に電話がかかってくる。仕事の電話だ。しかも3本もかかってくる。「今村監督や」「神山監督や」「堀川監督や」アホみたいなシーンに涙。
納豆そばを食う。一歩も家から出ていないのに気付く。
ジョナサン、「かめくん」読む。
東中野に行く。ミスドでカフェオレ飲む。めっちゃ好き。
「おじさん天国」顔を出す。向井くん、高橋さんありがとうございました。
「呑兵衛」で飲み。朝まで。

地獄の入り口には何があるのか。水木しげる曰く、島根と鳥取の県境の山中のどこかに穴があって、そこが地獄の入り口だという。穴には大きな石が置いてあって、地獄を閉じこめている。
もっと分かりやすい入り口はないのか。そうだ!入り口に死んだはずの人間がいればいいのではないか。で、松原さんが地獄の入り口に座ってることになった。

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2006年12月13日 (水)

おじさん

雨。朝からジョナサン。「麺通団」でねばたま食う。
大西のアパートでごろ寝する。再ジョナサン。待ち続ける。
「上州屋」で釣り具買う。
高円寺「円盤」ビト君、早健ライブ。聴いてる内に映画のアイデアが浮かぶ。ワクワクしてくる。
ポレポレ東中野「おじさん天国」終映間近に様子見。おじさんが多いのはなぜ。
「炭々亭」で飲み。北野勇作「かめくん」読んで寝る。

「おじさん天国」守屋がこだわったのが、久米水産の社員が社歌を歌うとこと、おじさん達が草野球するとこ。俺がこだわったのが、イカが釣れるとこと、地獄で佐藤宏がイカにかぶりつくとこ。

上映は続く。まだまだこれから。

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2006年12月12日 (火)

「おじさん天国」最終日トークショー、変更のお知らせ。

絶賛上映中の「おじさん天国」レイトショー最終日・22日(金)のトークショーですが、予定していた俳優の下元史朗さんがお仕事の都合でご来場できなくなってしまいました。それに伴いまして、下記のように変更になります。

いまおかしんじ監督
冨永昌敬(「パビリオン山椒魚」監督)
平沢里菜子(女優)

ある種、ダイオウイカVSオオサンショウウオVS女優という謎の組み合わせでもあります。波乱必至の最終日にご期待ください。

改めまして、皆様のご来場を心よりお待ちしております。

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電気

サンドイッチ食って、ジョナサン、行く。いつの間にドリンクバーの値段が上がってる。
座ってるだけ。「ジャンボ」でパチンコ、負ける。
家、水炊き食って、再ジョナサン。さらに座っているだけ。
ポレポレ東中野「おじさん天国」「南の島にダイオウイカを釣りにいく」終映間近にいく。ご来場の皆さん、ありがとうございました。
直井くんらと軽く飲んで、帰る。

初めてイカを釣ったのは、沼津の木負堤防というところです。ちっちゃいイカでしたが、ぴゅーぴゅー墨を吐きながらくねくね動く姿を見て、かわいいと思いました。体の色が様々に変化します。怒っている時は黒。触ると虹色に。死んだら白くなる。電気だよ。師匠が言いました。
イカは可愛い。食ってもうまい。

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2006年12月11日 (月)

久米水産

二日酔いでずっと寝てる。誰かにものすごく叱られる夢を見る。
ジョナサン、やり残したことを数える。
ポレポレ東中野、終映間近にいく。ビト君と久々に会う。

たまにビト君のライブにいく。歌ってる間の体のくねくねした動きが好きです。
「おじさん天国」の音楽もやってもらいました。いつも助けられてます。
帰り道に「久米水産社歌」口ずさんで欲しいです。

久米水産、それは三崎港にあるナイスな会社です。

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いまおかしんじ監督インタビュー、2連発。

アップされました。是非御拝読ください!

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尚、本日11日は『おじさん天国』上映後に『南の島にダイオウイカを釣りにいく』が上映される日です。そちらの方も御期待ください!

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2006年12月10日 (日)

『おじさん天国』絶賛上映中!

Ojisantengoku_porepore1_2 脚本・守屋さん、そしていまおか監督の日記にもあるように、『おじさん天国』が先日土曜日より上映スタートしました!

いまおか監督、守屋さん、下元史朗さん、藍山みなみさん、吉岡睦雄さん、平沢里菜子さん、松原正隆さん、伊藤猛さん、佐々木ユメカさん、佐藤宏さんを迎えた舞台挨拶も敢行。満員御礼での初日となりました。

上映は22日まで、連日21:15〜となります。毎週月・水にはいまおか監督のセルフドッキュメンタリー『南の島にダイオウイカを釣りにいく』が、毎週末にはトークショーを予定しております。好評を頂いている缶バッジプレゼントも続行中です(予告編DVD-Rは品切れとなりました)

皆様のご来場、心よりお待ちしております。

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いつか王子駅で

納豆チャーハン食う。
ジョナサン、読書。堀江敏幸「いつか王子駅で」読了。向井くんに勧められた本だが、とても良い小説でした。「変わらないでいたことが結果としてえらく前向きだったと後から分かってくるような暮らしを送るのが難しいんでな」に涙。
ケンタッキー、チキンフィレサンド食う。昔からの好物。
ポレポレ東中野「おじさん天国」初日。皆さんありがとうございました。感謝です。
いろんな人と話する。朝まで飲んで大阪屋。歌舞伎町の朝が好き。

「おじさん天国」ささやかな映画です。怒らないで下さい。佐藤宏がイカにかぶりつくとこ何度観ても笑えます。これのために映画を撮ったと言っても過言ではありません。

今日もやってます。

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見た後に笑顔になれる映画らしいです

みなさま、おはようございます。
「おじさん天国」脚本・守屋文雄でございます。
昨晩は、たくさんのお客さんと共に初日を迎えることが出来ました。
劇場を出てくる人たちの顔がみんな笑っていたよと、大目象一さんという嘘みたいな素敵な名前のキャメラマンの友達が教えてくれました。
どうもありがとうございます。
劇場まで足を運んでいただいたお客さん、久しぶりにお会いした「おじさん天国」オールスターズのキャストの方々、脚本を映画にしてくださったスタッフの方々、昨年の企画からこの公開まで「おじさん天国」にかかわってくださった方々。上映のあと、家に帰った方、仕事だった方、遅くまで飲んだ方、今も飲んでいる方。
すべての方に感謝いたします。
世界に感謝いたします。
「酒飲むために映画撮ってる」
いつかどこかで何回か聞いたかもしれない、日本か外国かどこかの映画監督か誰かの言葉を、長年「そんなわけねえじゃねぇか」と思ってきましたが、昨日、その気持ちが分かった気がいたします。
なんだか、千秋楽の挨拶のようになってしまいました。
「おじさん天国」は今日もやっております。
明日もやっております。
毎日やっております。
イベント盛りだくさんでやっております。
大目象一さん曰く、見た後に笑顔になれる映画らしいです。
未見の方、是非劇場までお越しください。
お待ちしています。

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2006年12月 9日 (土)

ウルトラ Q

納豆ソバ食う。パチンコする。「ウルトラQ」最近お気に入りの機種。粘って勝つ。
ジョナサン、読書。「福しん」でニラレバ炒め食う。
新宿国際「色情団地妻 ダブル失神」堀禎一監督、観る。葉月蛍がキュート。プロレスのシーンでお客さんがバタバタ立つ。
テアトル新宿「ネコと金魚の恋物語」瀬々敬久監督、観る。堀くんの観た後なので、DVの画面に乗れない。松竹荘をがっちり撮ってたので驚く。
ポレポレ東中野「手錠」「かえるのうた」終映間近に行く。盛況でホッ。
直井くん、富永さん、松江くんらと「呑兵衛」で飲む。

「おじさん天国」のシナリオに“絶世の美女”と書かれていて、頭を抱えた。誰がやんねん!いろいろ迷った挙げ句、佐々木ユメカさんにでてもらった。美女ではなく、妖怪にした。正解だったのだろうか。わからん。

本日から「おじさん天国」始まります。2週間よろしくお願いします。

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いまおかさんのこと

「おじさん天国」の脚本がまだ出来上がる前。
いまおかさんに何冊かの本を貸していただいた。
「アオリイカ スーパーテクニック」
たしかそんなようなタイトルのDVD付きの本が一冊あったけれど、それ以外は映画の中身とは直接関係ないものばかりで、その中に村上もとかの短編集があった。
その短編集に入っている「99夏あたし15歳」という話はいい話で、帰りの電車の中でぼくは読みながら泣いた。
いまおかさんは、当たり前の話だけど、ぼくなんかよりもたくさんの台本を書いて来られた。その全てを読んだり見たりしたわけではないけれど、たくさんの台本を書いてきたということは、その数だけ喜んだり落ち込んだりしてきたのだろうと、台本を書くぼくは信じることができる。
いまおかさんに会うと緊張する。
それは、この秋に友達の沖田修一が監督した映画「このすばらしきせかい」のトークショーでいまおかさんに会ったときに、初めて言葉にして思った。
年上だとか、監督だからだとか、未だに台本が上がらないからだとか、いろいろ理由はつけられるけれど、たぶんどの理由もいい訳みたいなもので、緊張するものは緊張する。威圧感はないけれど、むしろ話をしているときはホッとしている時もあるのだけれど、ホッとしながらも緊張している。
ぼくから見たいまおかさんはそういうひとだ。
「アオリイカ スーパーテクニック」に付いていた付録のDVDは、まるで待ちきれなかったかのように荒々しく袋のミシン目が破り開けられていた。
そして後日、西伊豆へのロケハンに同行したとき、強風の中わずかな時間でイカを釣ろうとするいまおかさんの姿をぼくは忘れない。
その姿は、恐ろしいほどに近寄りがたかった。

いよいよ本日より「おじさん天国」公開です。
イカとか地獄とかおじさんとかセックスとかばっかりで、泣きどころなんてひとつもない映画ですが、観ている間はちゃんと我を忘れるかわいい映画です。
お時間のある方、どうぞ劇場までお越しください。
お待ちしております。

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2006年12月 8日 (金)

松ヶ根乱射事件

二日酔い。だるい。ほうとう食って、回復を待つ。
京橋で、「松ヶ根乱射事件」山下敦弘監督、試写観る。春ちゃんの「はーい」にしびれる。川越美和、変すぎ。山中崇、ゆるすぎ。キャラクターの作られ方に天才を感じる。傑作。参りました。
ジョナサン、色々考える。
ポレポレ東中野、「手錠」「かえるのうた」上映。挨拶する。皆さん、ありがとうございました。
映画が愛されて良かった。俺もてなくても我慢する。
「炎」「呑兵衛」飲み。平沢里菜子の進化ぶりに驚く。歩いて帰る。

「手錠」は女の子の10年間の話で、場所がたくさんあって、助監督の堀くんが頭をかかえていた。知らねえよ。これしか書けねえよ。と突き放した。
トシキさんは気が狂ってるので映画に愛されているのだと思う。
「手錠」「かえるのうた」今日もやります。よろしくです。

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2006年12月 7日 (木)

恋する。

Imgp1253『おじさん天国』前夜祭とも言える特集上映も残すところあとわずかとなりました。【夫婦の処方箋】と銘打った五日目は『愛する。』と『それでも。』の二本立て。プログラムの中でもこの日限りのレアなラインナップとあり、補助席も埋まるほどの方が来てくれました。いまおか監督、『それでも。』出演の伊藤猛さんのほか、吉岡睦雄さんも飛び入りでかけつけた舞台挨拶では「ドンデン返しのない『悶絶!!』」という名言も飛び出しました。

『愛する。』(原題:愛欲乱れ妻)というタイトルですが、もともとは『恋する。』だったそうです。変わった理由としては、間違えただけ……との疑惑も。真相は籔の中です。『それでも。』は伊藤猛さんのお気に入りの一本だそうです。「当時のいまおかさんも僕もこれしかやりようがなかった」(伊藤)というだけあって、ラストの叫びが重く響きます。『おじさん天国』ではエンマダイオウ役の伊藤さん。その怪演にも注目です。

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2006年12月 4日 (月)

二日目

土曜日から始まったいまおか特集、おかげさまで二日目もたくさんの方が観に来てくださいました! 日曜の夜にお集りいただいた皆さま、ありがとうございます。スクリーンで観る『デメキング』は足跡や弁天様の存在感も圧倒的、『にぎって』の迷宮のような樹海も大画面だと迫力が増していました。さて、4日と5日は【Bプログラム:いまおかしんじの「女優・林由美香」】。先ごろトリビュート本「女優・林由美香」(洋泉社)も発売された林由美香さん出演作『イボイボ』『たまもの』の2本を上映します。本日は上映前にいまおかしんじ監督、川瀬陽太さん、華沢レモンさん、吉岡睦雄さんによる舞台挨拶がありますのでそちらもお楽しみに! 今日も東中野の夜は静かに盛り上がっていきます。

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林由美香

味噌煮込みうどん食う。昼寝して起きたら夕方。愕然。
紀伊国屋で、堀江敏幸「いつか王子駅で」買う。
クリームスパゲッティ食う。濃厚。ジョナサン、読書。
気になるので、ポレポレ東中野顔を出す。お客さんいっぱいだ。感謝です。知り合いに挨拶する。
直井くんらとモスでコーヒー飲む。
家、ビデオで「マリア」ソクーロフ監督、見る。佐々木昭一郎みたい。
鮎一夜干しつまみで酒飲む。寝る。

「イボイボ」のアパートは、木場にある笹野木材という潰れた会社の寮を使った。何をしても良いというので部屋を血糊まみれにした。「不動」で三池崇史監督は壁をぶち抜いていた。今はもうない。

今日と明日「イボイボ」「たまもの」上映。林由美香出てます。観に来てね。

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2006年12月 3日 (日)

師走、いまおか特集スタート!

Polepole02いよいよ2006年もあと1ヶ月。そしていまおかしんじ特集上映も無事に初日をむかえることができました。いまおか監督も舞台挨拶にかけつけ、なんとほぼ満席の大盛況! 寒い中ご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございます。

初日と二日目は『デメキング』と『にぎって』の二本立て。舞台挨拶のトークではそれぞれの作品の見どころのほか、鈴木卓爾さん(監督作『鋼−はがね−』もただいま公開中)が主演の『デメキング』の現場で愛が生まれたエピソードなども飛び出しました。

Polepole01劇場のポレポレ東中野ではちょっとしたいまおかしんじフェアが開催中。過去作のDVDや関連パンフレット、サイン入りシナリオなどもお求めいただけます。もちろん入場者プレゼントの缶バッジも大人気。Polepole03笑顔の素敵なポレポレ受付嬢も身体をはってチャレンジしてくれました。絵柄は全10種類と充実しているので、コンプリート・コレクションへの挑戦も期待しております。そのほか数量限定プレゼントの予告編(+おまけ)DVD はブルーノート仕様のお洒落なジャケットがポイント。さらに『おじさん天国』パンフレットには先着順でいまおか監督のイラスト入りステッカーがつきます。こちらもなくなり次第、終了となりますのでどうぞお早めにゲットしてください!

Polepole04ご意見・ご感想などもぜひこちらのブログまでコメントいただければと思います。皆様の声をお待ちしております。忘年会シーズンとなりますが、休肝日はポレポレへ! これからの3週間、どうぞ宜しくお願い致します。写真は初日終了後のいまおか監督。劇場で会えるのを楽しみにしています。

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ポレポレ東中野

ユートピアから帰ってきた。「大名古屋温泉」良かったです。名古屋シネマテークの皆様、ありがとうございました。観に来てくれた方々にも感謝。

映画学校、編集見る。考えて、考えて、また考えて。それっきゃないのね。
斎藤さんらと「夢庵」とり竜田揚げ食べる。ビール飲む。焼酎飲む。ヘロヘロになる。

ポレポレ東中野、初日行く。誰も来なかったらどうしよう。胃が痛い。
舞台挨拶する。お客さん一杯だ。ホッ。
「デメキング」「にぎって」上映。
無事に初日を迎えることができました。皆さん、ありがとうございます。
これから3週間、よろしくお願いします。

撮影の前の日には鰻を食べる。店で一番高いやつだ。それをゆっくり食べる。あれもこれも不安が押し寄せてくるが、ひたすら食べる。うまい。ひととき不安を忘れる。傑作が撮れそうな気がしてくる。ジョナサンに行く。原稿用紙に、俺は天才と書く。何回も書く。大丈夫と書く。何回も書く。カット割るの忘れてた。慌ててカット割って帰る。

皆さん、助けて下さい!

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2006年12月 2日 (土)

ハリウッド並

沖田修一がギャラを持ってきた。

「このすばらしきせかい」という映画がこないだ公開になった監督の沖田修一と、この秋、とある撮影のバイトをした。

それは大正琴の演奏会の撮影で、沖田とぼくで2台のカメラを回した。

1000人は入ろうかという巨大なホールで行われたその演奏会で、大正琴を演奏するおばさんたちのアップを嬉々として撮影する沖田の横で、ぼくはステージ全体を写す引きのカメラを担当した。

カメラを回しながら、沖田はニヤけたり噴き出したりしている。

おばさんのおもしろいアップが撮れたらしい。

ぼくのカメラは引きの画なので、あんまり面白くない。

悔しいからぼくも少しだけズームで寄ってみた。

派手な衣裳に身を包んだおばさんたちが、身体を揺らしながら、七色の照明の中で必死になって大正琴を演奏している。目を閉じている人もいる。

こんなおもしろい画を独り占めして、ずるいじゃないか沖ちゃん……。

こころの中でそう思っているうちに、拍手が鳴って演奏が終わった。

沖田修一がギャラを持ってきた。

大正琴の撮影のギャラのはずなのに、封筒の裏には「脚本料 5億」と書いてあった。

ハリウッド並じゃないか!

差し出した沖田修一は笑っている。

「シャマランなら、当然の如く受け取るぜ」

その目がそう言っていた。

ぼくも当然の如く受け取ることにした。

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2006年12月 1日 (金)

性描写にハートがあるのがこだわり

Ojisan_shusei121_aいよいよ明日から1週間、R18 LOVE CINEMA SHOWCASE VOL.2〜いまおかしんじ監督特集が始まります。ご来場者にはオリジナル缶バッジとYoutubeでもお馴染みの松江監督作『おじさん天国』オリジナル予告編集が配布されます(写真)。また、『おじさん天国』パンフレットを買った方にはオリジナルステッカーが付くことになりました!いずれも枚数限定ですので、是非お早めにお越しください!

日記のタイトルは先日24日売りのデイリースポーツでの取材記事におけるいまおか監督のお言葉です。是非劇場にて、ご自身の目でご確認ください!

それでは、皆様のご来場を心よりお待ちしております。

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かえるのうたの思い出

明日から、いまおかさんの特集上映が始まる。

「かえるのうた」の試写の時。

試写室のある東映化学まで行くと、いまおかさんが入口の傘立てに腰を下ろしていた。

「お疲れ様です」

「おお」

と、傘立てに座ったまま動かない。

髪の毛もひげも伸び放題で、今思うとすこしだけ妖怪のようになっていた。

そのころ、ぼくは田尻さんが監督した「ヒモのひろし」の台本の直しで、頭を抱えていた。

頭を抱えたまま試写室に入って「かえるのうた」を見た。

見始めて、どのあたりから引き込まれたのか忘れたけれど、そのうち自分の台本の突拍子もないアイデアがたくさん浮かんできた。

おもしろい映画を見ると、自分はいつもそうなる。

ひとつ笑いが止まらない場面があった。

とにかくおかしくて、そのシーンが終わっても笑っていた。

まだ見ていないひとのためにそれは書きません。

未見の方、是非劇場でご確認ください。

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