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2006年12月17日 (日)

『おじさん天国』トークショー2

ゲスト:いまおかしんじ監督×柳下毅一郎(特殊翻訳家)×田野辺尚人(「映画秘宝」編集部)

Ojisan0612162日連続トークショーの第二弾は、柳下毅一郎さん・田野辺尚人さんの「女優・林由美香」(洋泉社)チームをお迎えしました。チラシやパンフレットに寄稿してくださるなどいまおか映画には造詣の深いお二人だけに、独自の地獄談義に始まっておじさんの不眠症の原因に新たな仮説が飛び出したり、ツチノコ目撃情報やダイオウイカの釣りスポットまで話は広がり、場内は笑いに包まれました。

ー柳下さん、田野辺さんのお二人は既にピンク映画館で『絶倫絶女』としてご覧になっていたんですよね。

柳下:そうです。僕は上野オークラで。最初観た時から草野球のシーンが好きでしたね。まさに「天国」って感じで。あのシーンはもっと長く観ていたかったですよ。

田野辺:僕は前に観ていた人間から「地獄」が描かれ、「エンマ大王」もちゃんと出て来る。しかもそれを演じるのは伊藤猛(※かつてから田野辺さんとは旧知の仲)だと聞いたのですぐ新宿国際に観に行きました。伊藤猛がエンマ大王を演じるというのはビル・プルマンが大統領を演じるくらいすごいことなんですよ!それで観たら確かに地獄は出て来たんだが…まさかあんな…(笑)ちなみに丹波哲郎さんの持論として、人は死んだら自分が思っているような霊界に行くということらしいので、これは下元史朗が演じるおじさんが思っていた霊界なんじゃないかなと(笑)

ー(笑)地獄へ行くことになったきっかけは何だったんでしょうか?

いまおか:最初は地獄とか出て来なかったんだけどね。草野球チームの連中とかがみんなうちに来て、狭い部屋が人でいっぱいになる。で、喧嘩したりとかそんな感じだったな。守屋は地獄のことを何て書いてたんだっけ?

ー『ミルキー』という脚本で地獄のシーンがあったんですが閻魔大王も何も出てこなかったので、いまおかさんのほうで(地獄)行くと言ったときにはわくわくした、ということでした。

いまおか:ああ、そうだそうだ。

ー女優陣については如何だったでしょうか?

柳下:主役の藍山みなみさんはぎりぎりまで決まらなかったんですよね。藍山さんは顔はロリロリなのに肉づきがよくて妙にエロいところが大変いいなあと思いました。平沢里菜子さんも以前に『かえるのうた』『ヒモのひろし』(05/原題:SEXマシン 卑猥な季節)を観てとても気になってたんです。でも『おじさん天国』がピンク映画館で上映されたときのポスターは、写真が全部平沢さんなんですよね?

いまおか:公開の1ヶ月前にはポスター撮りをしなくちゃいけなかったんですけど、そのときはまだ藍山さんが決まってなくて、誰でもいいからと言われてぎりぎりの日に平沢さんにお願いしました。

柳下:その時点ではじゃあ何も決まってなかった?

いまおか:そうですね(笑)。

柳下:この映画って男もそうですけど、特に女性が何を考えてるのか全然わからないですよね。内面がない人たち……もちろん映画の中でのことですけど、なんで藍山みなみの役が色んな男とセックスしてるのかもわからない。けっこう純情そうな女の子なのに頼まれるとすぐセックスしちゃうらしい、という男にとっては理想のキャラクターなんですけど、内面的なことはわりとわからないですよね。監督の女性像というのもわからないものなんですか?

いまおか:ああ、そうですね。わからないというのもあるんですけど、すぐやらせてくれる女の人はなんかいいじゃないですか(笑)。可愛いっていうか、色んな魅力があると思うんですけど。女池充監督と『愛のコリーダ』(76)の藤竜也は魅力的だよね、という話をしたことがあるんですけど、あの役はみんなを馬鹿にしてるんだけど自分も馬鹿にしてるんですよね。だから色んな男とやる女っていうのもどこか自分を馬鹿にしてるのかなあというのがあって、まあ、後づけですけど。

柳下:みんなミステリアスな感じがするんですよね。特に内面の吐露が全くないじゃないですか。吉岡君の役もなんでイカを釣りたがってるのか結局わからないですよね。おじさんがなんで不眠症になったのかもわからない。普通に考えると佐々木ユメカの役を殺した、ということになるじゃないですか。

いまおか:ああ、そうか(笑)

柳下:ならないですか?(笑) でもその得体の知れなさがいいなあと思って。要するに人間の内面なんかなくてもちゃんと映画になるっていうか、内面もお金も何もないけど天国と地獄はあるというのが素晴らしいなあと。

ーいまおか監督は今、老人が主役の恋愛モノを準備しているということですが……。

いまおか:ピンク映画のシナリオ公募入選作なんですけど、老人の性を扱った話で、それをいかにエロく撮れるかという挑戦ですね。

柳下:おじさんの次は老人ですか?

いまおか:どんどん年齢が高くなっていく(笑)。65歳ばっか出てくるんですよ。

ー脚本家も年配の方なんですよね。それともうひとつ、ツチノコ映画の構想もあるとか。

いまおか:旦那さんをツチノコに噛まれて殺されちゃう奥さんの復讐話ですね。

柳下:それは中国山地ロケ?

いまおか:いや、岐阜のほうに「ツチノコの里」っていうのがあるんですよ。

柳下:あれ、ツチノコって中国山地にいるんじゃありませんでしたっけ? 広島あたりだった気がしましたけど。

いまおか:いろんな所で目撃されてるんですよ。

田野辺:広島で発見されたのはですね、ツチノコの死骸だということだったんですけど、調べてみると山案山子だったんです。間違いのないところで申しますと、一番最近では六甲山中で今年の9月に目撃例が出ています。ロケをするなら六甲山中だと思います。この間あそこで焼き肉のタレで生き延びた男性が保護されましたけど(笑)けっこう危険な所です、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99)みたいな。

柳下:ツチノコはちゃんと出てくるんですか?

いまおか:そうですね、まだホンが上がってきてないんですけど。

柳下:デメキングやダイオウイカみたいな怪獣ものになるんですかね?

いまおか:そうですね、何とか盛り上がる感じにしたいんですけど。

田野辺:ダイオウイカは父島じゃダメですよ。今ダイオウイカをゲットするんだったら高知沖です。

いまおか:高知沖?

田野辺:ええ、釣れるらしいです。この間も死体が流れ着いてます。

いまおか:それどこの情報なんですか? すごいっすねえ(笑)。

柳下:いまおか監督にはM.ナイト・シャマランに対抗して、日本のシャマランとして是非頑張ってほしいですね。

この日は昨日に引き続き、サイン入りパンフが抽選で2名様にプレゼントされました。トークでも話題になっていた『南の島にダイオウイカを釣りにいく』は月・水曜日のみの限定上映です。チャンスはあと2回ですのでどうぞお見逃しなく!

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