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2006年11月27日 (月)

打ち合わせの時間

おじさんのことについての台本を書こう。

それが決まっても「おじさん天国」の台本は全然まとまる様子を見せなかった。

おじさん・たかしの気ままな台詞だけがポコッポコッと浮かび、それをあてもなく書き止める日々だった。

「ちょっと会おうか」

いまおかさんから電話をもらって、新宿のランザンで待ち合わせる。

ランザンには映画関係者の人が多い。

「あ。どうも。ご無沙汰してます」

いまおかさんが頭を下げるたびに、横で小さくなって頭を下げる。

なかなか台本の話は始まらない。

コーヒーを飲みながら、映画の話、本の話、釣りの話。

「へぇ」とか「はぁ」とか言いながら、ほとんど黙って聞いている。

不意に台本の話が始まる。

「どう? 書けそう?」

見えないけど確かにあった緊張がふと緩むのか。言った後、いまおかさんは「いやあ……」みたいな、言っちゃった、みたいな、笑い顔をする。

おれも「いやぁ……」みたいな、言われてしまった、みたいな笑い顔をしている、のだろうか。

そこから台本の話が始まって、思いついたことを言ったり、黙ったり、する。

黙っている時、ランザンの窓から見える新宿の裏通りを見ていることが多い。

この間まで半袖の人もいたのに、もう、コートの人ばかり。

あっ。かわいい姉ちゃんが通った。

いまおかさんがタバコを吸った。

なにか、思いついたのだろうか?

そうではない。考えているのだ。や、考えていないのかもしれない。

おれもタバコを吸って、台本のことを考える。や、考えるフリをしているのか。

ときどき、それが分からなくなるときがある。

でも、フリでもなんでも考えることが大事で、ふとした時間に

「おや?」

というようなアイデアが生まれたりもする。

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