恐怖の朝
高校の同級生と飲む。
未だ遅遅として進まない台本を置き去りにして。
酒を目の前にしても、女の子を目の前にしても、モツの煮込みを目の前にしても、一向に意気が上がらない。
いかん!
もう、このまま、一生意気が上がらないのではないかと不安になる。
トリのから揚げが運ばれてきて、少しだけ意気が上がる。
よし!
調子に乗って、居酒屋のテーブルを並べ替えようとしたら店員に怒られる。
意気が下がりそうになるのをぐっとこらえて、トリのから揚げをもうひとつ頼む。
「ま、またトリのから揚げですか?!」
「ひとつじゃない! ふたつだ! や、三つだ! 三つ山盛りにして持ってこい!!」
「ト、トリのから揚げ、3丁!!」
じりじりと苛立って、居酒屋を見渡す。サラリーマンたちが頑張って酒を飲んでいる。
気づけば、家でひとり寝ている。
目が覚めて、へんな歌を思いつく。
♪あたしを濡らした やさしい雨は
どこへ どこへ消えたの
土にしみこみ 地球の底の
マグマに着いたのよ・・・・・・
時計を見れば、朝の5時。今日は久しぶりの労働。えもいわれぬ不安に襲われる。
やっぱり、一生このまま、意気が上がらないのではないか・・・・・・・・・!!!!!
出発まではまだ時間があるのに、あわてて歯を磨き、準備して家をとびだす。
夕焼けみたいな東の空を見る。
はるか昔。
恐竜もこういう朝焼けの空を見ていたのだろうか。
どうでもいいんだっ。そんなことはっ!!
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