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2006年5月 3日 (水)

R18リレーインタビューVOL.1【佐々木ユメカ編】

突然ですが、今日から「R18 LOVE CINEMA HOWCASE Vol.1」のリレーインタビューが始まります。全8本のラインナップをより楽しんでいただくため、監督やキャストの皆さんにピンク映画の魅力を語っていただきます。20日の初日までリレー形式で順次お届けしていきます。記念すべき第一回目は、チラシや予告篇にも出演されている、今回のイメージキャラクターともいうべき女優の佐々木ユメカさんからスタートです!

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■佐々木ユメカ:『団地の奥さん、同窓会へ行く』『草叢』(Aプロ)/『痙攣』(Dプロ)

―予告篇*1の撮影はいかがでしたか?

ユメカ:すごく自然な雰囲気で、気負わずにラフでいいんだーと思いました。仕上がりを見たときはもっとポップな感じかと思ってたら、しっとりとした感じだったのがちょっと意外でしたね。

*1:松江哲明(監督)、カンパニー松尾(撮影)による映像は、ヒールで颯爽と街を歩く仕事帰りのOLをイメージして作られたもの。会場であるポレポレ東中野への行き方がよくわかる、ということでも密かに評判になっています。

―今回の特集上映についてどう思いますか?

ユメカ:(ピンク映画館以外で作品が上映されるのは)初めてじゃないんだけど、オールナイト上映とかやると、意外に女の子が来るんだなーと思う。地方に住む同級生がWOWOWとかで観て「ユメカ出てたねー」と言ってくれるんだけど、ピンク映画のつもりで観てないんですよ。普通の映画を観る感覚なんです。だからピンク専門館だと女性はやっぱり行きにくいけど、こういう(一般劇場での)特集上映はいいきっかけになるんじゃないかな。

―ピンク映画に出演したきっかけは?

ユメカ:Vシネの仕事をずっとやってたんですけど、獅子プロ*2で面接を受けて…最初が(いまおかしんじ監督の)『デメキング』だったんです。現場に行ってみたら金髪のオヤジ*3がいるから、まさかこの人ではないだろうと思っていたらそれが監督だった(笑)。共演者の川瀬(陽太)くんから「君は、ピンク映画は初めて?」と聞かれて、「ああ、これってピンク映画だったんだ!」と気づいたぐらいで。現場に入ってみたらフィルムはガラガラ回ってるし、なんか今までとは様子が違うなーと。

*2:ピンク映画の製作プロダクション。滝田洋二郎、いまおかしんじ、田尻裕司らを輩出する。
*3:当時、いまおか監督は金髪だった。

―ピンク映画とそれ以外の現場の違いとは?

ユメカ:やっぱり映画を撮ってるんだなという感覚が一番ありましたね。雰囲気なのか、監督や役者さんの心持ちなのかはよくわからないけど。VシネだったらNGひとつにしてもまあもう一回やればいっかーというノリだったのが、絶対に失敗できないーみたいな。だから余計にNGを出してしまったり。演じる上では、芝居をしているということに関しては変わりませんけどね。

▼『団地の奥さん、同窓会へ行く』(サトウトシキ監督)

ユメカ:(キャラクターとしては)こんな嫁であればいいなという意味で共感できましたね。あとは靴のヒールにぽとんと雨のしずくが落ちてくるところが映像として鮮明に残ってます。(ビデオパッケージも足のアップになっている)テーマはあそこじゃないかと。

―トシキ組の撮影は過酷だと聞きますが?

ユメカ:トシキさんとは何回かやってたんですけど、いわゆる主演というのは初めてで。川ちゃん(川瀬陽太)*4とも夫婦役は初めてで。ちょうどこのチラシのカットに映ってるシーンは一連の芝居が全部ワンカットだったんですよ。台詞も多いしワンカメ長回しで4分ぎりぎり。だからワンシーンの撮影に12時間かかりましたもん。テイクだけで言ったら何十回とやってますよ。だんだん集中力もきれてきて「私のせいでみんなが寝られてない!」と思うともう自分も真っ青で(笑)。

*4:川瀬陽太。ピンク映画界を代表する男優のひとり。『たまもの』(いまおかしんじ監督)、 『言い出しかねて』(後藤大輔監督)にも出演。

―これだけ粘るのはやはり他の組ではないことですか?

ユメカ:んーまあ多分(トシキさんが)一番粘られるかなという感じ。という意味では──粘るっていうよりは意思が強いというのか意地が悪いというのか──こだわるのは女池さん(笑)。すごいいい意味でなんですけど。自分の軸がしっかりしてるから、好きなことをさせるがためにどうしてもずれていくというか。

―同窓会でいきなり絡みが始まるシーンはかなりおかしかったです。

ユメカ:あり得ないなと思いましたね。超真面目なのとギャグをやってるののコントラストがすごくて。

―大真面目にギャグをやってるという感じですよね。「止めてよ!」と嫌がっているけど、もっと本気で抵抗すればできるだろう!と。あの芝居はけっこう難しかったのでは?

ユメカ:そうですね、あそこも結構何度も繰り返しやってて。机の上に倒されるというので割と何回も身体を打ってるからだんだんアザになってきて、衣装ものびてきて。ブラジャーなんかあまりに引っ張られすぎて「ブラジャーの機能果たしてないだろう!」と。

▼『痙攣』(田尻裕司監督)

ユメカ:普段ピンクではリハーサルはしないんですけど、このときは田尻さん*5から申し出があって、四日間みっちりやりました、稽古場借りて。

*5田尻裕司監督。『OLの愛汁 ラブジュース』をはじめ叙情的な作風で女性からの人気も高い。2005年『孕み-HARAMI-白い恐怖』で一般映画デビュー。

―田尻監督はどのような人ですか?

ユメカ:田尻さんはすごく気持ちよくさせてくれる監督!褒めるし、何より気を使ってくれるし。私もわりと男っぽいから撮影の合間とかに現場で裸で放っておかれてもまあ大丈夫ですよーって感じなんだけど、「そんなのは絶対よくない!」と上着をかけてくれたり。絡みのシーンについては『眩暈』*6より具体的な指示がありましたね。「ちょっと僕がやるから」って言って自分でやってみせてくれたり。

*6:『不倫する人妻 眩暈』(2002年公開)。田尻裕司監督、佐々木ユメカ主演。

―町田ひらくさんの漫画が出てくるんですよね。

ユメカ:あー、「地震がきたら本棚が…」*7とか言ってたような。

*7:田尻監督は漫画好き。『かえるのうた』(いまおかしんじ監督)のきょうこ(平沢里菜子)の部屋に出てくる漫画は全部「田尻文庫」だそう。

―『団地の奥さん、同窓会へ行く』『痙攣』は主演、『草叢』は助演での出演ですが?

ユメカ:これはもう個人的なことなんですけど、堀(禎一)*8さんのにはうちの妹*9も出てたから「妹がお世話になったなー」みたいな。あとこの前いまおか監督の最新作(『おじさん天国』)にもちょっと出たんですけど、現場がすごくイカ臭かった(笑)。「お前もとうとうこの域まできたか」とか言われたんですけど…いまおか監督、次は普通の人間の役でよろしくお願いします!

*8:堀禎一監督。今回は『草叢』が上映される。佐々木日記さんの出演作は『宙ぶらりん(=SEX配達人 おんな届けます)』('03)。
*9:佐々木日記。ユメカさんの実妹。『手錠』('02/サトウトシキ監督)などに出演。

―女性から見たピンク映画の魅力とは?

ユメカ:最初はやっぱり抵抗があるかもしれないけど、観てしまえば「なーんだ」みたいな。ピンク映画だから濡れ場がついてくるのは当然だけど、予算も時間の制限も厳しい中でいかにしんどい条件でやっているか、というのが逆に面白かったりするんじゃないかな。楽しめる要素はいっぱいあるので、これで間口が広がればいいなーと思います。

―女性だからこそ、他の女の人の裸や絡みを観たいっていうのもあると思うんですよね。もちろんそれだけではないけれども、逆にそれを自然に堂々と観に行ける環境づくりという意味でもいいかなと。「フィールヤング」*11などの女性コミック誌を女の人が読むような感覚じゃないでしょうか。

ユメカ:その映画版みたいな、ね。

*11:祥伝社の女性向けコミック雑誌。これまでの執筆陣に安野モヨコ、岡崎京子、楠本まきなど。

もともとは男性向けに作られていたピンク映画ですが、最近では女性を主役に、美しく撮ろうとしているものがたくさん見られます。恋愛と性の切っても切れない関係、男女がつきあっていく上では当たり前のことをジャンルとして描けるのはピンク映画ならでは。男性の監督による女性観がリアルに感じられるところも注目です。次回もお楽しみに!

 (インタビュー・構成:那須千里)

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コメント

>楠本さま
大変失礼致しました。訂正させて頂きました。本当に申し訳ございませんでした。

投稿: ナヲイ | 2006年5月20日 (土) 00時27分

いつになったら間違いを訂正されるのでしょう?

×楠木まき
○楠本まき

投稿: 楠本まき | 2006年5月20日 (土) 00時03分

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