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2005年12月25日 - 2005年12月31日

2005年12月31日 (土)

今年も終わり

いまおかです。
卓球の福原愛のドキュメンタリーを見る。愛ちゃんはゆっくり喋るからいい。スポーツ選手だからだと思うのだが言葉に実感がみなぎってる。インタビュアーの話をよく聞いてるので、返す言葉もシャープだ。「練習の成果というのはすぐに出るものではない。言葉にできない“感じ”を積み重ねていくことで初めて、それも随分経ってから分かる」というようなことを言っていて、それは将棋の羽生善治も似たようなことを言っていたのを思い出した。
やること無いので、西新宿のジョナサンに行く。
ただぼんやりと座っている。
いつものシナリオ書くときのやり方。アイデアが出るまでひたすらここにいて耐えること。そうやっていつまでもいると凄く苦しくなってきてそこから逃げ出すためになんか書くことになる。これまで15年くらいそんなやり方で仕事してきました。もっと前向きなやり方もあるんだろうけど、今はこれしかできません。ただ待ってる。ただ耐えている。仕事が来るのを。アイデアが浮かぶのを。
ホントに何も浮かばないので、アルゴ・ピクチャーズに行く。
大掃除。窓ガラスを磨く。黙々とやる。
夜になったので、酒を飲む。激しく酔っぱらって気がつくと亀戸にいた。
夜中、赤いきつねを食べて寝る。
年賀状書かなきゃ。
今年ももう終わる。あと一日、いいことありますように。

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2005年12月30日 (金)

七福神と呼ばれた男たち<後篇>

女池 でももうそろそろ、何を撮りたいのかっていうのを明確にしていかないと、この先進めないんじゃないかなとか思ってるんですけど。一通り話をしてもらって、ピンク映画撮ってる…もう卒業した方もいるんですけど、ピンク映画をどういう感じで作っているのかということと、お客さんもイジらせて貰いたいなと。じゃあ順番に。

坂本 僕も、何でピンク映画を作ってるかっていうと女の人の裸が好きだからだと僕自身は思ってるんですけど、田尻さんとかに鼻で笑われるかもしれないんだけど、僕はそれがあるとつくづく思うんですよね。

女池 今の坂本の意見に、何か。会話にしていきましょう。いまおかさんとか言いやすいんじゃない?

いまおか え?(坂本さんに)ハダカ好きなの?

坂本 めっちゃ好きですよ。

いまおか そういう風には思えない。

坂本 でもみんな、セックスシーン好きでしょ?だからピンク映画やってんじゃないの?

いまおか そうでもないんじゃない?僕はあんまり。見るほうが好き。

坂本 ふーん。田尻さんは?

田尻 坂本に聞くけど、坂本が女の人の裸が好きなのはなんとなく分かるんだけど、ボクが好きなのはキレイに撮ろうというか、そういうのが物凄いある。で、坂本のは・・・。

坂本 キレイに撮ろうとは思ってない。

田尻 思ってないよね、絶対そう思ってないよね?それで前さあ、坂本が2本目の『18才 下着の中のうずき』でケーキをぬりたくってそれを舐めさせてとかっていうのがあって、そこを僕に自慢してて、撮り終わった後「すっごい絡み、エロイの撮っちゃった」って。

坂本 それはないよー。

女池 田尻さんは人と違ってるとこがあって、田尻さんなりの受け止め方だと思うんですよ。さっきの僕の話を聞いてても思ったんですけど。

田尻 ちょっとオーバーに話してる?

女池 いや、受け取り方が違うと思う。喋ってる人の真意を汲み取れてないんだと思う。(会場笑い)

田尻 そうか。いや、ちょっと酔っ払い気味なのかもしれないけど。で、坂本は裸が好きでどう撮りたいの?

坂本 ちょっと僕、どう撮ろうというのは、田尻さんと言ってること違うのかな。そんな気もするんだけど、女の人好きなんだけど、僕はもしかしたら女の人になりたいって思ってるのかなって思うぐらい、ちょっと羨ましいなって思うんですよ、女の人って色々あって。生理とかあったり、パンツにオリモノついてたりして。ああいうのを映画にしたいんですよ。よく分かんないんですけど、ああいう世界を具体に出来たらいいな、色々ある感じを。だからこう女性の裸の絵画的な美しさみたいなものには、興味はないですよ。

田尻 でもさ、生っぽいそういうのも、坂本、映画の中でやってない・・・。

坂本 最近気づいたことかなのかもしれないけど。なんかまあ、そういうことをしたくてピンク映画に来たのかなぁみたいな感じをなんとなく自分で気づいたっちゅうか、思い始めたのかもしれない。

女池 榎本さんどうですか?次、1月から撮るのは榎本さんなんですけど。

榎本 撮る前は普通に(ピンク映画を)お客さんとして見てて、普通の映画も成人映画もその頃はロマンポルノもあったし、分け隔てなく観てたんで、理屈じゃなくこうあるべきなんだろうというような感じがきっとある。それを頼りに撮ってるというか。そういうのはあるんですけど。やっぱりその裸というか絡みとかそういうのは、ただやってるんじゃなく、それを見せる形にしなきゃなんないっていうのはやっぱり撮ってて難しいんで、それは常に考えなきゃって思ってるんですけど。

女池 じゃあ一通り聞いていきましょう。鎌田さん、撮られてた時はどうでしたか?鎌田さんは唯一、この中でピンク映画をやろうと助監督として入ったんじゃないと思うんですが。

鎌田 僕はTVをずっとやってたので、ピンク映画ずっと観まくってた訳じゃないんですけども、やっぱり、現場に入ってみて余計なものとか人とかが、あんまりなく感じてシンプルで規制が全然ないちゅうのがよかった。まあ女の人好きですけど、裸を撮りたいっていうのはないです。低予算でシンプルなのが良かった。

いまおか 僕は、なんとなく獅子プロみたいなピンクばっかりやってるプロダクションに入って、まあ気付いたらピンク映画って世界に居たっていうか。もちろん観てたりとかして、それで好き・嫌いとか居易い・居づらいみたいなことで言うと、居易い世界だったけども、自らがつかみとった選んだ場所ではなかったと思う。結果的には選んだけども。撮るなら撮るでベストというか、なるべく100%に近い何かをやるというか、周りの人との関係だったりするんだけども。その中で坂本とかも、ピンクっていう土俵の上にドンと乗ってるから、そういう風な考え方になるんだと思うけど。まあ今、目の前にある大問題が(自分が中にいる)ピンク映画だから、それについては良く考えますね。まあ釣りとかもしながらなんですけど、逃げながら、でも土俵の外にちょっと出れない感じは今はしてますけど。

上野 何故ピンク映画か?ちょっと僕、分からないんですけど。セックスシーン撮るの、すごい気恥ずかしいというか。セックスが好きで女の子も好きなんだけど、一番恥ずかしいんですよね。自分自身が映画の中でひとつ裸になって、もう一回セックスシーンで裸になんなきゃいけないっていう。なんか凄い恥ずかしさがあって、早く撮っちゃおうっていう、早く撮りたがる所があって。あるプロデューサーに「上野さんの絡みっていつも腰の使い方が早いですよね」って言われて。オレはこの位だけどなって思った事があって。やっぱ凄い一番裸になる部分だよなってとこはありますよね。

女池 一応ボクも言わせて頂くと、どうやって映画を自分がやれるだろうっていう所でピンク映画っていうものを選んだんですが、それには幾つか理由があるんですけど、一つは男と女の人が出てきて好いたはれたとか、エッチするしないとか、そういう世話もの的な映画を撮りたいなあと思ったんで、そういう意味ではピッタリだったんで、ボクはそれで今も(ピンク映画を)やってるんですが。一通り話しをしてもらったんですが、今度はお客さん方にも聞いてみたいんですが。「P-1 GRAND-PRIX」の時に直接お客さんに聞いた訳ではないですが、もっとお客さんたちはイヤらしいものを期待して観に来てたんじゃないかなって思ったんですね。皆さんどうですか?ボクは個人的に言うと、『スワッピングナイト』はそこにちょっと立ち向かってゆきたいなあというのものがあって。毎回立ち向かってる訳じゃなくて、『花井さちこ』の時は微塵も考えなかったです。そこらへんはどうですか?いまおかさん、『たまもの』では本番でやったりとか・・・。

いまおか いやぁどうなんだろうな。自分が観客の立場としてあんまりエロいものを観たいと思ってなかったから…。なんか、その「エロいの向こう」を見たいっていうか。「向こう」って何?ってよく分からないんだけど。その、なんだろ…うまく言葉に出来ないんだけど。ちょっとした声だったりとか、「ああそうだよな」っていう。単純にエロいっていうのもすごい広くなっちゃうっていうか、いやらしいものを撮るっていうことにあんまり興味がないのかな?オレがね。…だから興味がないことには、なかなかタッチできないから。

女池 どっちかっていうと興味がないっていうのは多かったですね。でも、観に来る人はそうじゃないんですけど。じゃあ、一番前の人に聞いてみましょう。今日は何で来て頂けたのか、何を期待して来られたのか、一言いただけないでしょうか?

客1 来たのは友達に誘われてなんですけど、僕らの年代はピンクって盛んな時期が大学時代で、そういうことに一番興味がある時期を過ごしたもんですから、その後AVっていうのが出てきてエロを観たければAV観ればいいやと。それプラス映画のストーリーとか演出とか編集の感じとか、そういうのを見るならピンクっていう。私も暫く映画鑑賞から離れてたんだけども、今回観て感じたのは、AVが出てきたことによって、ピンク映画ってすごく自由になったんじゃないかなっていう。今日の映画(『ビタースイート』)でもわりと人間関係とかしがらみみたいなものとかを、きっちり描かないと映画にならなかったですよね。そういう意味ではピンクって進歩してきてるよなっていう、自由な映画になってきてる気がして。色んな形でピンク映画ってどんどん撮られていくべきだし、そうなっていくんだろうなと、これだけ若い方々を見て思いました。

客2 映画全体に求めるものってものが色んな可能性があって今日ここに来てる感じで、こういうのが見たいのかもしれないということで来てるんですが、今(壇上の監督の)皆さんもピンク映画をやってらっしゃると思うんですが、監督人生でもっと大きな映画の可能性もある中で、何故かピンク映画をやってらっしゃるという所に非常に面白さを感じる。ピンク映画の好きな所ってせっぱ詰まった感じ、そういう所でたまに否応なしにセックスをやってるんじゃないかみたいな感があって、それが面白いですし。さっきのピンク映画は自由だって話も、自由かもしれないけど、不自由でしょっていう。そういう所にキュンとくるっていうか。

女池 今の話を聞いてどうですか?じゃあ、次に撮る榎本さん。

榎本 映画撮るのは楽しくもあり、辛くもあり、ピンクを撮るということは裸を撮ることでもあり、絡みを撮ったりするのは仕事としてやらねばならない意識としてやってると思う。仕事というのは楽しいけれど辛いというものが共存してるから良いのであって、そういうところが滲み出て映画に人間味が出ればいいかなと思います。

女池 じゃあ最後にシメで。今の話の流れでアンチなのは田尻さんなのかな。

田尻 もともとエロ映画のピンク映画とか撮りたくて入ったんじゃないっていうのが正直なところで、自主映画で色々応募してダメで(助監督)3年で監督にしてくれるっていうからアレなんだけど。入ってみてさ、獅子プロの先輩方のもの凄い情熱っていうかキチガイじみた現場を色々経験しているうちに、なんかひっぱられてというか、感化されて、良い世界だなとかって思って。それでピンク映画に入ったからには、徹底的にエロいのを撮ろうとやってきたけれども、最近ちょっとボクの考えるエロの話だけど、即物的じゃない方が、魅力的な女性を描いてお家に帰って抜いてくれるっていうのを目指して作ってるんで。さっき言ったキレイとかいうのもその単純な意味の美しさっていうよりも、乱れた感じも全部含めて…いまおかさんの『たまもの』でいうと息が出来なくて、現場で「溺れてるような」と言ったらしいけど、そんな感じがグっとくる、泣けるっていうか感動するし、家に帰ってオナニーしてくれれば良いと思ってやってるんで。なんですかね・・・。

2005年12月23日 @ポレポレ東中野

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あと、2週間

みなさん、こんにちは。
ピンク映画の監督をしています、いまおかしんじです。
「かえるのうた」という映画が、2006年1月14日(土)よりポレポレ東中野にてレイトロードショウされます。
観に来てくれたら嬉しいです。観られることでしかみなさんと繋がれないので、本当もうお願いします。
こういう日記を書くのは初めてなので、宣伝になるか分かんないんですけど、女池充の書いたのを読んだりするとなんか面白いので、頑張って書くようにします。
この映画、もともとは「援助交際物語 したがるオンナたち」というピンク映画だったのですが、周りの人がいろいろと動いてくれて新たに上映することが決まりました。もう感謝です。感謝しかありません。
どうやって感謝していくか考えながら、酒を呑んだり、釣りに行ったり、AVを鑑賞したり・・・そういったことを書けばいいんですよね?女池さん。
みなさん、よろしくです。
いまおかしんじ

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2005年12月29日 (木)

七福神と呼ばれた男たち<前篇>

女池充(以下「女」) 今、ロビーの方にコレ(「P-1 GRAND-PRIX2000」パンフ)が置いてあるんですが、5年前に「P-1 GRAND-PRIX」というピンク映画の上映会があって、その時にボクたちは「ピンク七福神」と括られたんです。僕らが助監督としてついた先輩の監督さんたち四天王(瀬々敬久、サトウトシキ、佐藤寿保、佐野和宏、敬称略)と戦おうということで企画されたイベントだったんです。その時に会場にはいたんですが、こうやって揃って(「七福神」と呼ばれた監督たちが)並ぶことって始めてのことじゃないかと思うんですが、貴重かどうか分かりませんが、話してもらおうと思います。まず、ボクの映画のことを話しません?せっかくだから。

上野俊哉(以下「上」) 皆さん寒い中ありがとうございます。女池を一番ぶっ叩いた人間です。なんか感じとしては僕のただ一人の後輩で、一本しかつきあいないんですけど、よう頑張ってるなと思ってます。

いまおかしんじ(以下「い」) んー、そうですね。ピンク映画って予算が決まっているんですが、その中で何しようかとここに並んでいる人も思っていて、どうしようか考えるんですね。どういう風に考えたらいいかっていうと、センター試験みたいな高得点はとれないみたいな感じがあって、一芸入試というか、その一芸をいかにみつけるかっていうのがテーマとしてあって。女池さんはそれを主観的にやってるのかなっていう。なかなか、それがみつかんなくて、落っこちちゃったり。そういうことの意味において同じ場所で戦っているなという風に見てます。ハイ。

鎌田義孝(以下「鎌」) 自分の作品について?(笑) (女池監督作品は)うまいなあ、と思いまして今、(『ビタースイート』を)観てました。女性を撮るのが上手いのかなと思ってたんですけど、男性も上手いし、カット割りも上手いし。

女 誉められたくて呼んだんじゃないですよ(笑)

榎本敏郎(以下「榎」) 厳しい意見っていうことじゃないんですけど。この前にやっていた『花井さちこの華麗な生涯』は苦手というか、ピンクで60分バージョン撮って、90分バージョンというかインターナショナルバージョンがここ(ポレポレ東中野)で上映されたんですけど、長くなって話は分かりやすくなったんだけど、それが面白さに繋がってないなみたいなことを、本人に言った記憶があるんですけど。『ビタースイート』に関しては、良い印象があって。脚本の西田直子さんが女池充と何本もやってるんですけど、初めてというと失礼ですけど、自然だなと。何気ない台詞でありながら、予定した台詞で、話を語る台詞でありながら、作り物じゃない台詞に聞こえた。それは監督の演出だったり、役者さんの芝居だったり、そういうことが全て作品の魅力だと思うんですけど、最近そんな感想を監督に言ったら、僕の周りではみんな評判悪いんだ、と。それは意外だなと思ってたら(今、聞いてたら)皆さん肯定しているんで。

女 ボクは田尻さんから聞いたんですが、みんな否定的だって。(会場笑い)

田尻裕司(以下「田」) それは、だからアレですよ。その話をみんなでした時に、榎本さんが「いやいや女池充の中ではいい方だよ」って…。

榎 「いい方だ」なんてそんな失礼な言い方は僕はしてないですよ。

田 やっぱり言った方がいいですかね。ここまでみんな誉めてるんだから…。ボクは『花井さちこ』と『ビタースイート』と殆ど現場に居たんで、あんまり客観的なことは言えないんですけど、ボクはまだ『花井さちこ』の方が…。ボクは雪山で撮った『情炎』が好きですね。

女 会場の人わからないから(笑)

田 ああ。…だから現場に居たからでもあるんですけど、凄い時間がかかってる感じがして、丁寧な映画だなと出来上がって思いましたけども、話がなんかつまんないいていうか(会場笑い)だからどうしたの?みたいな感じが凄いあって。脚本読んだ時からボクは言ってたことだけども、だからそれぞれの感情の流れは分かるけれどそれが面白くないっつうか。特に女池さんの映画のことでボクが凄く言っているのは、ボクはやっぱりピンク映画作ってて、自分の作品はたまにそうでもない作品もあるので置いといて、セックスシーンを観て欲しいっていうのがやっぱりある。よくピンク映画っていうのはセックスシーンさえ入れば何やっても良いみたいな言い方する人がいるけど、そういうものだとボクは思ってなくて。だからセックスシーンが輝かないと、それはやっぱりピンク映画じゃないんじゃないのって、だったら他の所で撮ればっていうのがずっとあって。女池さんの作品でボクは『情炎』以外はワンシーンぐらいは良いセックスもあったけど、ちょっと『ビタースイート』に関していうと…(セックスシーンは)必要ないっていうか。ボクがビデオで観てたら早回しするし、寝てても話は全然(分かる)みたいな。それがやっぱりちょっと…。現場で見てても…。

女 うしろで見てても…。

田 いただけない…。(会場笑い)オレさあ、現場でもちょっと言った筈なんだけど。「違うんじゃないの」みたいなコトは。

女 それは覚えてないですね。

田 特に、あのぉ・・。向夏とKINさんが台所に行ってガンとやって・・・セックスに至る。何かもうちょい激しい方が良いというか。カット割りでわりと誤魔化してる感じがして。

女 そんなにオレも深く考えてない(笑)

田 一番オレは、また来てさぁー、台本からちょっと設定が変わってるけども、向夏が離れて泣くように座ってるレストランのとこ・・・(ぶつぶつ)

榎 じゃあ台本での演出が弱いってこと?

田 うーん、だったらセックスやんなきゃ良い、とばせばみたいなのがあって。

女 割って入ってくれる人とかいない?(笑)

田 ただその、あの、女池さんの映画、ボク2本しか一緒にやってないですけど、『ビタースイート』も大変だったけど、女池さんって現場で誰よりも体力がない人なんで。助監督時代よりはもうちょい起きてられるけど。女池組って現場で(女池監督の)「寝待ち」があるんで…。だけど、カットかかって、役者さんとかカメラマンとかが、女池さんの方を見てても、芝居が終わってんのに女池さんが寝てて、フィルムがガラガラ廻ってる時もあって。それでも「もう一回」って言うじゃない?見てないからそれは当然なんだけど、これでいいのかと思いながら、だけどそうやって繰り返してることによって、ボクの知っている役者さんが一杯出てるわけだけども、見たことのない芝居になるっていうか。ずるずるずるずるやるじゃない。今回も二日目から最後までずっと(毎日の撮影が24時間)繋がっていたし。で、ある種独特な、まるで緊張感がないダラーっとした感じで。だけどその芝居が「この役者さん、こんなことするんだ」みたいなのが凄いあって。それは女池さんがあそこまで粘るというか、女池さんの言葉で言うと「世の人全てが自分のために何で協力してくれないんだ」みたいな酔っ払ってよく言う訳だけども、その感じが凄いこう…ダラっとしてるんだけど凄い引っ張っていってる力になって。うん、全体的にすれば、ああ凄いなあっていうか、そういう部分は尊敬してます。それが『花井さちこ』の90分バージョンとか、『情炎』とか、それが結実してるから、凄い好き。

坂本礼(以下「坂」) 僕はこの映画の感想じゃないんですけど、作っている人と作っている人の生活を結びつけるのは低俗かもって思うんですが。まあ西田さんは離婚経験者ですよね?で、女池さんって既婚者じゃないですか。こういう話って、まあ僕なんて「結婚ってお茶漬けの味みたいなもんだよ」みたいな話じゃないけど、そういう感じで(『ビタースイート』は)結婚を壊して他に行く話じゃないですか。女池さん、実生活で結婚っていう形を抱えてて、こういう話を作るんだなあって。これどういうことなんだろう、ホン(脚本)を作ってる時に、結婚を壊していくことに関してはどういう話し合いがあったのかなって思ったんですけど。

女 別に何もないんだけどね。そこらへんの壁はオレはないんだよ。結婚してるんですけど、最近円満になってきたんですよ。NYに僕は一年間行ってたんですけど、NYに行ってこの一年間で随分家庭環境も円満な方向になり、子どもも「お父さん」って言ってくれるようになり(笑)良いことづくめなんですけど。あんまりそういう考え方しないんで逆に。

坂 それは物語を作るってことに於いて、こう色々枠組みを作っていく上での一つっていうことなんですか?

女 答えにならないけど、ボクね、女の人にモテなかったんで。そのことは結婚・離婚よりは、モテる・モテないの方が微妙に結びついてるんですけど。

坂 皆さんはあんまりそういうこと思わないんですか?だから僕は石川さんと林さんは夫婦の関係性を持ってなきゃいけないのかなって、そういうのは思ったんですけど。

女 往々にして役者さんとは、かなり齟齬がありますよね。現場で。ボクが思っていることと役者さんが思っていることが、噛み合わないまま映画が終わっちゃうみたいなことが。ボクは噛み合ってないから分かってないですよね。この前、川瀬(陽太)さんにそういう話をしてもらったことがあるんですけど、結構そう思ってるんじゃないですかね。噛み合わないまま、色んなものが入ったらいいなっていうのがあるんです、フィルムの中に。それを良い方に転がしていければっていう。

(後半につづく)

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2005年12月28日 (水)

ねぎ焼き

決めました。
行きます、大阪に。
十三にねぎ焼き食べに。
じゃなくって、1月7日の「花井さちこ」と「ビタースイート」の初日、第七藝術劇場に顔出しに行きます。
「花井さちこ」に出演してもらってる松江哲明監督と「たまもの」が1月21日から上映されるいまおかしんじ監督と坂本礼監督とボクとで、車で行きます。
もっと早くに決めてたら告知もできたんですが、今からだと告知も十分にできないので、これ読まれた関西方面のみなさんの口コミが頼りなんです。
友人知人に広めてやってください。

おいしいものたくさん食べます!

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2005年12月25日 (日)

映画

4週間、無事終了しました。
最終日はおかげさまで客席いっぱいの超満員。
みなさん、ホントにありがとうございました。

正直、気持ち的にはアップダウンのない4週間で、やっぱり映画は掛けるより作る方がいいなあって思ってたんですが…
昨日の打ち上げ、見に来てくれた鴨田好史さんも残っていただけたんですが、東中野の居酒屋が終わって、もう一軒行こうってことになったものの、朝の4時に開いてるお店は一軒もなく、仕様がないんで新宿に移動。
ゴールデン街に行くも適当な店が開いてなく、清龍やカチカチ山も終わってる始末。それでも諦めずボクらはお酒を求めて早朝の歌舞伎町を彷徨い歩いたんですが、ここでちょっとキタんですよね。
いつの頃からだろう、店が開いてなかったら諦めて帰ろうって淡白になってしまったのは。
もう何年も味わってなかった、助監督の頃によく味わったいた感覚。
上手く形容できないんですが、映画なんですよね、映画。
で、結局大阪屋に入ったんですが、なんだかお腹まで空いてしまってお好み焼きやらなんやら食べる食べる。
そこには2時間ぐらいいたんでしょうか、じゃあ帰りましょうって話になったんですが、味噌汁でも飲んで締めにしようって言う鴨さんのひとことでしょんべん横町へ。
でもお目当てのつるかめ食堂も、他の店も閉まってて、再度歌舞伎町へ。
さっきまで開いてた歌舞伎町のつるかめ食堂も閉まってる!
それでも諦めない。
もう映画、映画、映画。
ああ、バカに生まれてこなきゃ説明できたのに。
とにかく撮影したくなっちゃって…
歌舞伎町がそういう街だからか。
鴨さんを囲んで田尻さんと坂本と、ノスタルジックで恥ずかしいんですけど、そこに映画があったからなんですよね。
映画って、映画だけが映画じゃない訳で…
鴨さんはまさに映画。
結局区役所通りの入り口にある、コーヒーとうどん売ってるお店に入って、ビール、ビール、ビーール!
鴨さんが話してくれたこと、何一つ忘れたくはなかったんだけど、記憶力の悪いボクはやっぱり何一つ覚えてない!
でも、あまりに映画で映画で。
だからって訳じゃないんですけど、とある会話の中で、鴨さんにボクの孤独を見透かされ、そこに優しい言葉を掛けてくれるもんだから、不覚にも涙が…
人前で泣きそうになるなんて…、自分のことでナルシスティックになってしまうなんて…
そう、それは鴨さんがあまりに映画だから。
もう鴨さんは人間なんかじゃない、映画なんだ。
だから俺は人前でもあられもなく泣きそうになんかなってしまったんだ。
やっぱり映画だ。
こんな感じでカタルシスを与えてくれるのは女なんかじゃない、映画なんだ。
サンキュー、サンタさん。
サイコーの贈り物です!

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